転職の顛末記

沈没する前に逃げよう

当方、介護職員です。キャリアはそんな長くなくて3年ほど。異業種からの転職です。転職した理由はそれまで勤めていた会社の将来に不安を感じたからです。今は53歳ですがこれがもう少し先、例えば58歳とかになったときに急に会社が倒産して転職を余儀なくされた場合に再就職先を探すのに苦労しそうなニオイがプンプンしたので当時盛大に人手不足が叫ばれていた介護業界に潜り込もうと考えたわけです。つまりは

後手にまわると面倒くさそう

それを回避したい、そういう訳でした。僕が転職を思い立った当時は介護業界ならば求人は多数ありました。無資格・未経験可という求人もそこそこありました。ですが、状況は一変します。

今や介護職とはいえ求人は多くない

例の感染症が地方経済に大打撃を与えたせいで求人数が激減して、今や介護職員とはいえ「無資格・未経験」だとかなり寂しい職場しか残っていないと思ったほうがいいです。新聞の折込チラシを見ればよく分かってもらえると思います。読売新聞を購読していますが、折込チラシで求人広告を出しているのは3社くらいで、エリアも大変広く僕のうちの場合、南千葉全域の求人が掲載されています。とても、一般的な通勤圏内ではなくて、仮に面接を応募したところで遠距離を理由に断られること請け合いです。折込チラシの求人広告はもはや価値を失っていると思います。

今や求人はネットで自分で検索する時代になりました

今は求人を探すのにネットは欠かせません。その中でもハローワークのインターネットでの求人閲覧は情報の信頼性では群を抜いています。少なくても選んだ会社に応募できるという意味では外れがありません。「何、当たり前のこと言ってんだ」と言うなかれ。転職エージェントが絡んでくると、そうは簡単にいかないです。転職エージェントからの電話やSMSもしつこいです。それで相手にすると自分の家から比較的近くの別の案件を勧めてきます。これって元々は違う会社の求人に応募しようとして、こうなります。物珍しさもあって、僕も少し付き合ってみたんですが、まあどうでもいい感じの職場しか勧めてこないので、完全に無視しました。本当に使えない人たちです。

ハローワーク以外だとindeedは比較的使えると思います。慣れてくれば求人の元ネタがどこにあって、どういう経緯で掲載されているのか分かるようになるので必要のない転職エージェントから解放され、選んだ求人情報にきちんと応募できるようになります。個人的にはすこし背伸びした感じの会社も含めていくつか応募してみました。結果、どこも入りませんでしたがいい経験が出来たと思いました。特にSONPOケアは不採用でしたが入りたかったですね。きちんと面接をいて頂いたという印象でICTも対応してあり福利厚生も充実してように思えました。採用はされませんでしたが僕にはいい会社見えました。反対にこっちから断ったのが全国展開している大手の訪問介護事業所。所長様が僕の前職の特養の名前の漢字が読めないらしく

「前の特養、前の特養は・・・」

みたいな言い方をしていました。読めないなら聞けばいいだろうに。普通に読めるぞ、あと地元だとかなり有名な社会福祉法人だぞ。ああ、この人は人にものを聞くことも出来ないバカなんだなって。こっちからお願い下げです。こっちもあんたらの評価はしてますからね。

ハローワーク一択でいいと思います

ハローワークのインターネットサービスは基本情報を登録すれば自由に使えるようになります。僕は勝手に勘違いしていて、今現在会社に勤めている人は職安を利用することは出来ないと思ってました。そんなことはなくて失業してなくても(失業給付をもらうかその申請中の人)使えます。使えるというのは求人を出している会社へ面接の応募をハローワーク経由でやってもらえます。つまり、ハローワークの紹介状を貰えて、相手の会社から面接の日取りの連絡をもらえるような段取りをして貰えます。とても便利だし、ありがたいサービスです。転職を考えている人はまずハローワークのインターネットサービスに登録するのがいいです。

介護職へ転職を考えている無資格・未経験の方へ

 

3年間は諦めて修業のつもりで色んな面でキツイ職場に入るしかないでしょうね。3年が過ぎて介護福祉士の受験資格を得て、実務者研修を修了して国家試験に合格すれば転職先の選択肢が格段に増えると思います。よくクズみたいな国家資格だと揶揄されることも多い介護福祉士ですが介護業界ではかなり立派に機能する資格です。出来れば、介護職員初任者研修→実務者研修→介護福祉士と順番に取得することをお勧めします。転職時の採用面接で履歴書に書いておくと見栄えが違います。なんか似ているように見えますが初任者研修と実務者研修って違うものです。一応、実務者研修が上位互換になっているものの本当に現場での実務に関することでは初任者研修の方がよっぽど詳しく教えてもらえるので初任者研修で基本の基の字を教わった方がいいです。実務者研修で深くやることは介護過程という項目です。基本はもう習得されているという前提ですね。ちなみに実務者研修を修了しないと訪問介護事業所などでサービス提供責任者になれません。もっというと老人ホームやグループホームは無資格・未経験で実務に携わることが出来ますが、訪問介護は無資格では仕事が出来ません。かならず初任者研修以上を修了していないとダメです。初任者研修にせよ実務者研修にせよ一応、資格としては意味があります。まあ、取得にはお金も時間も掛かるから当然だけどね。

介護業界なら喰いっぱぐれがないけど・・・

介護業界は問題が多いです。虐待まがいのことはしょっちゅう見かけるし、それを楽しんでいる職員も多いです。それに意見しようとも先輩だと言いにくいし、ましてやそれが複数人いると言えませんね。こればかりはガチャみたいなもんで入ってみないとわかんないので、それが厄介です。それと承認欲求だけで生きているような職員もいます。僕が最初に勤めた先はそんな輩は少ない職場だったので良かったのですが、未経験でそういう環境に入ってしまえば、それが当たり前だと思い込んでしまいます。職員間の不和から内部告発されて、とばっちりを喰うのは御免こうむりたいものです。そういう意味で転職先を選ぶ際には大きな施設で職員が多いところの方が他人の目があり安全です。あと総じて言えることだと思いますが、職員が多かろうが少なかろうが他人を育てようという空気は一切ないと思った方が無難です。手下や子分は欲しいと思っている職員はわんさか居ますがね、何せ承認欲求が強い人がたくさんいますからwwwそれを踏まえて

この仕事は自分の将来に必要があるからやっているんだっ!という強い意志が必要です。

僕は49歳で介護業界に入り順調にキャリアを積み将来の転職を見据え、実務者研修を修了させたころに体に不調が現れました。コロナやらなんやらで職員が減って夜勤が増えたら体調がおかしくなったでござる。具体的に夜勤明けでおしっこすると痛む。ホースの先から肛門を通り仙骨の下までしびれるというか痛むというか、そういった感覚が一日中続くようになった。病院に行くと慢性前立腺炎とのこと。加齢による体の変化が主な原因でトリガーとしては生活のリズムの乱れだそうです。あ~はい、先生、思い当たることが沢山あります。

ということで、特別養護老人ホーム勤務を辞め、昼間の介護職員になろうとしました。昼間の介護職員というと訪問介護かデイサービス。そう言ったところへ鞍替えしようとしましたが、結構大変でした。まず、何はともあれ給料が安い。まあ、覚悟はしていたけど、想定を超えるレベルでした。まず、訪問介護について。

訪問介護は闇が深い

僕は田舎に住んでいるので自動車で移動する訪問介護の事業所しかなく、まあそういうもんだろうくらいの感じで始めました。自動車は自分の車、つまり持ち込みです。こういうスタイルでやっている訪問介護事業所はとても多いです。自分の車を仕事に使うので基本的に毎日の業務は直行直帰になることが多いです。何か用事があるときは事務所に顔を出すみたいなカンジです。

僕はパートで始めましたので給料は出来高制でした。仕事の内容に対して時間単価が決まっています。単価は高いものと安いものがあり、時間も30分から2時間と様々です。月給制ではないので毎月決まった収入があるか不透明な部分はありますが訪問介護の職員には他の介護職員にはないメリットがあります。それは

時間の自由がある。

普通の職場では勤務時間内に仕事を抜け出してスーパーに買い物行ったり出来ないですが、訪問介護の職員は次の仕事に間に合えばいいのでOKです。僕は2~3時間空くのことがよくありました。最初はコンビニの駐車場とかで時間を潰していましたが、やがて家に帰るようになりました。あんまり時間がないときは海水浴場の駐車場に行って、海を見たり、昼寝したりしていました。

楽だ~

とは思うものの、結果としてそれはガソリン代も含めて月給16万円程の稼ぎにしかならず、ここからさらに社会保険料を自分で支払うとすると、かなりのがっかり年収にしかならないので2か月で辞めました。そもそもがハローワークから正社員募集の求人に応募して、「最初はパートで始めましょう」と言われたものの、同じ男性で半年間ずっとパート働いている先輩がいる事実を目の当たりにすると、まあ無理でした。いつかは社員になれる日がくるかもしれないけど、それが10年後だったりすれば意味ないですから。恐らくは今のサービス提供責任者が引退したら、その後釜にはなれるかもしれませんが、それはいったいいつのことなのでしょう?

訪問介護の職員に向いているのは結婚されていて子供の面倒などをみなければならない女性だと思います。ある程度の収入は見込めるし、時間的に融通も利くし、メリットはあるでしょう。実際、訪問介護は職員不足から多くの事業者が廃業しています。今、生き残っている事業所はそういう状況を受けても経営出来るように職員を確保しやすい形に進化した、といったような印象を受けました。特に女性の利用者は男性の介護職員がNGだったりするので男性職員は仕事の絶対数が少ないのかも知れないですね。

女性の介護職員っておじいさんを嫌いな人が多いです、介護業界。

まあ、セクハラじじいもいるからしょうがないですがね。まあそういう事情もあり訪問介護は男性には厳しい世界なのかも知れません。恐らく職員として訪問介護をすることはないでしょうね。この躓きを受けて再び施設介護に戻ることにしました。つぎに選んだのはグループホームです。

グループホームの問題点

個人経営みたいなグループホームはとにかく職員の民度が低い。これに尽きます。家庭的?いやいや、これは公私混同ですよ、と言いたくなる。利用者に好き勝手して給料を貰おうなんてずいぶん都合のいい事を考えていらっしゃること。無知とはこういう事だいうことを日々感じています。まだ、無資格・未経験でも人間性が卑しくなければいいのですが、まあ、とにかく利己的で内輪の論理から一歩も出ないので、どこに出しても恥ずかしい人がいっぱいいます。そういう人に会いたければ、是非おすすめです。当然、全員がそうではなくて、そういう人もいますってこと。でも、まあ利己的な人は大概声もデカいので目立つんですがね。他人を放っておけない。やたらと口を挟む。自分でやり残した仕事を人のせいにする。

「あなた、忘れたでしょ?」

コレコレwww

お前が忘れとんじゃっ!ボケがっ!!!

客商売を長くしていると、レッテルを貼られたり、根拠のない低評価をされたりすることにはある程度慣れているけども、けどもね、嬉しくはないです。さすがにこの手の輩には何を言って無駄なので抵抗はしませんが、面白くないですね。問題はこの手の人と同じ職場内でどれくらい時間を共有することになるのかということではないかな?と考えています。介護施設だと職員の出入りは盛んなので、すぐにいなくなることもあるし、長く付き合うことになる可能性もあります。特に仕事を失うと次を見つける事が難しいと思われる人達、高齢(60歳以上)、外国人、無資格者、なんかの人は簡単には退職しないと思った方がいいです。おまけに基本的に辞めないで居座る気満々なので颯爽とマウント取ってきます。厄介です。厄介。こういうことはあまりにも多いので腹くくっていくしかないですわ。ただ、虐待とか虐待までいかないにせよ、近い行為などには加担したくないので、そこだけは譲れないです。本当にこだわっているのはここだけ。職員がひたすらお喋りしていたりするのはどうでもいい、それでいてあいつは仕事していないと言われるのもどうでもいい。分からない人には何を言っても分かってもらえない。自分は経営者ではないので。

やはり、雇われではやりたい事は出来ない。やりたい事を実現したければ起業するしかない。そんな金も胆力もない。では、なるべくやりたくないことが少ない職場を選ぼう。やりたくないこととは

他人を追い詰めたくない。他人から追い詰められたくない。これだけ。

利己的な人はこういうことに配慮がない。とにかく、自分が気に入る、気に入らないということが軸で合理性や論理性で他者を理解できない。我慢をしない、我慢をすると負けだと思っている。結果、特に迷惑を掛けている訳でもないのに排除の理論を持ち出す。職員に対しても、利用者に対しても、自分の都合の良い理屈を強制する。よくあるのは利用者が昼寝をすると夜眠れなくなるから

昼寝ダメッ!! ゼッタイッ!!!

とか言っているのに利用者の相手なんかせずにずっと職員同士でお喋りしている。自分はそれに対して努力することもない。なんかあるだろうに、一緒に洗濯物畳むとかなんか、傾聴でも構わんし、新聞見るとか、何かが。

面接を恐れない、嫌がらない、面倒くさがらない。

今回の転職では過去最大数の面接を受けました。10社に行きました。まあ、自分が自分の将来を考えて今出来ることを目指していたので完全に自分中心で考え、採用されそうな会社というより求める環境を手に入れるということがテーマだったので、

まあダメでしょう

なんてところも一応受けるだけ受けてみようということで、お伺いして話を聞かせてもらいました。その際に、ああここなら入りたいなんて会社は2つありましたが、どっちも不採用でした。

ハローワークに行き、求人票をプリントアウトして電話してもらう。この流れが気楽でよかったということもありますね。あと、履歴書をパソコンで作成していたので、そこも手間が掛からず苦労もないので手当たり次第といった感じでした。お陰様で面接の最初の5分で採用になるかは分からないけど、不採用決定だなっていうことははっきり分かるようになりました。人間何事も経験を積むことが大事だなって次第です。基本的は選ばれる・採点される身分ですが

こっちもあんたらの採点してますからね

そう思っていました。不採用でも人間として一人前に扱ってくれた担当者がいてくれた会社はありがとうございますって思います。

転職するにはそれなりの事情があるもんです。それを100パーセント理解してほしいとは思わないのですが、「転職が多い=こらえ性がない」というだけの短絡的なイメージを擦り付けられると、話していて腹立つんで途中からテンションだだ下がりになりますね。

雇うつもりがないならとっと終わらせませんか?時間の無駄でしょ?

さすがに口には出しませんがね。転職する勇気もなくただ一か所にしがみついてきただけじゃないの?安っぽい人はそんな風に見えました。こっちからお願い下げです。

俺の人生を俺が希望する方向に進もうとして何か文句あんのかっ!

ってね。

でもまあ、そんな僕でもあんまりにも不採用が続くと心が折れそうになります。

自分は世界から見て不必要な存在である可能性

転職なんて面倒くさい、転職なんてするんじゃなかった。何回も面接に行き、自分の希望に近づくことも出来なかったりすると、ついそんな風に思ってしまいます。それと転職が多いということは一般的には低評価されることが多いです。その人の考え方をきちんと受け止めて転職に踏み切った経緯を理解してくれる他人はまずいないでしょう。家族(肉親)でもいい顔しないものです。だから、転職そのものを諦めるというのも一つの選択肢だと思います。僕も自分の過去を振り返れば、そこそこうまくいっていたので辞めることはなかったのかも?と思わなくもないです。

でも、もう遅いですね。すでに舵を取り、船を漕ぎ、未知の大海に進んでしまったのです。自分にはあとどんな選択肢が残されているのか確認してみたかったというのもありました。

結局はかなり大規模に介護施設を展開している事業所に就職が決まりました。中身は同じ感じですが、少なくとも本人が希望すれば勤め続けることは可能っぽい職場ではあります。

これからの介護業界は事業所の閉鎖と倒産が多く発生すると考えています。そう考える理由は2つありますが、それは今は内緒にしておこうと思います。ひとつだけ言えるのは

日本は日本人が思っているほど豊かではない。

ということです。現役時代に頑張って、きちんと老後の資金を残すことが出来た人はそんなに多くないのではないか、僕はそう思っています。

自分の家族と断絶し、年金では生活費が足らず生活保護との併給で何とかかんとか生きているだけの人が全国の老人介護施設にごまんといてさらにニートが74万人もいてこの人達もいずれ生活保護を受給されるとなると、もう考えるだけで恐ろしいです。国家の財政が破綻するかは分からないけど、国から支援されないと生きていけない人達への支援内容は低くなっていくしかないでしょうね。そういう施設で誰が働くのでしょうか?今やこの国の給料は世界の中でも低い方になってしまっているのにね、外国人なんてきますかね?

ああ、恐ろしや、恐ろしや

 

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